もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


それからは


「また明日ね」


と、帰って行くリュウを待ってしまっている私。



本当に嫌なら、瑠伊とバイトに行けばいい。



なんだかんだ言ってもリュウを待ってしまうのは、自分でもよくわからない。



思い当たるのは、夜を1人で過ごさなくていいからってくらい。



「なんで観ないわけ?」



「ねぇ、なんで?」



自分の家のようにベッドの上で寛いでいたリュウは起き上がり、私の腕を掴む。



「ねぇ、ねぇ、観よう!!」



そして、子供のように私の腕にぶら下がる。



「毎日、観てるじゃない。私はやくざ映画になんか興味ない!!」



思い切り手を振りほどくと、床にしゃがみ込みいじけている。

< 198 / 342 >

この作品をシェア

pagetop