もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
それだけで、鼓動が早くなっているのが分かる。
格好良い。
悔しいけど、私のとーちゃんは格好良いんだ。
「それより、何でリュウが来てること知ってんの?」
頭を撫でられたせいで、熱くなった頬に手を当てながら、とーちゃんを見上げた。
「ここに出入りしてて、俺が知らないとでも?」
とーちゃんは外したネクタイを放り投げ、ソファーに座った。
そして、トントンとその横を叩く。
私に座れって合図。
この合図がある時は……
とーちゃんが少し怒ってるってこと。
私はゆっくりとソファーに向かって歩きながら、何に付いて怒っているのか頭をフル回転させた。