もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

それだけで、鼓動が早くなっているのが分かる。



格好良い。



悔しいけど、私のとーちゃんは格好良いんだ。



「それより、何でリュウが来てること知ってんの?」



頭を撫でられたせいで、熱くなった頬に手を当てながら、とーちゃんを見上げた。



「ここに出入りしてて、俺が知らないとでも?」



とーちゃんは外したネクタイを放り投げ、ソファーに座った。



そして、トントンとその横を叩く。



私に座れって合図。



この合図がある時は……



とーちゃんが少し怒ってるってこと。



私はゆっくりとソファーに向かって歩きながら、何に付いて怒っているのか頭をフル回転させた。

< 202 / 342 >

この作品をシェア

pagetop