もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


大嫌いな1人の夜が、なんとも言えない複雑な感覚に支配される。



私にとっては初めての感覚で、ベッドに横たわったままボーっと天上を眺めていた。



普段は真っ白に見えている天上の壁紙も、こうしてみると結構汚い。



何事も目を凝らしてみなければ、ぼやっとした外観ばかりが印象に残り、真実は見えないもの。



……なんて、ガラにもないことを考えていると、ピピッという機械音が、このだだっ広い室内に鳴り響いた。



「ビックリしたし」



独り言を言いながら、携帯を手にすると、画面に表示されていた時間に驚いた。



AM6:32



もう、朝なんだけど。



何時間天上を眺めてたんだろう。



今日は学校なのに、寝てないし。

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