もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
瑠伊が指定した階以外は、沢山の会社が入っているオフィスビルで、制服を着た私達の姿はどこか浮いていた。
ランチ時間なら若い子や学生もそれなりにはいるんだろうけど、夕方のこの時間帯はちょうど飲食店が空いている。
私は人混みが苦手だから、浮いていたとしても、このほうがいいんだけど。
「どこのお店?」
5階のフロアには飲食店が4つ。
カフェバーに、洋食店が2店、そしてそば屋。
「左手の奥」
小さな声で答えた瑠伊にいつもの元気はない。
「カフェバーでいいの?」
足下を見つめながらコクリと頷いた瑠伊を確認してから、私は店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
「はい」
ドアを開けるなり、女の定員が出迎えてくれる。