もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
無視を決め込んでいた私も
「おい!!聞いてるのか?」
という何度目かの、声に反応した。
……といっても視線を向けただけ。
段々と大きくなるおじさんの声に、周りの目が気になりだした。
どうみても、私が被害者に見えるだろうけど……
助けてもらえるかもしれないだろうけど……
あまり目立ってしまったら、もうここではバイトは出来ないっていう瑠伊の忠告を思い出してしまった。
そんな、弱気な考えを知ってか知らずか、おじさんはますます声を荒げる。
「まだシラ切るのか?それともあれか?男を選ぶのか?娼婦のくせに、男を選り好みするってわけか?」
娼婦って……
そんな言葉、テレビでしか聞いたことないし。
しかも、私は娼婦なんかじゃない。