もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
本当の救世主
「俺の連れに何か用か?」
このまま、ここで押し倒されるんじゃないかって勢いで捕まれていた腕。
いや、殴られるんじゃないかって勢いかも。
兎に角、おじさんの気迫は物凄くて、私はおじさんに恐怖を感じた。
その瞬間に現れたジュン。
救世主みたく現れたジュンに、格好いい!!なんてときめくとこなんだろうけど、遅すぎた。
ジュンが来るのは一足遅すぎた。
「君達かな?何かトラブルかい?」
ジュンの格好いい登場のすぐ後に現れた、おじさんよりも若い警察官。
「女の子が怒鳴られてるって通報があってね。事情を聞かせてもらえるかな?」
おじさんよりも先に私に事情を聞こうとする警察官。
まだ、おじさんの手は私の腕を捕らえたままなのに……
この腕を先に何とかして欲しい。