もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「おっさん。手、離せよ。いつまで触ってんだ?!」
ジュンは警察官が怖くないのか、おじさんに向かって喧嘩腰で台詞を吐く。
「まぁまぁお兄さん、熱くならないで。貴方も手を離してもらえますか?」
警察官の言葉にチッと舌打ちをしたのはおじさんで、おじさんも警察官が怖くないらしい。
その事が凄く不思議でたまらなかった。
普通に考えれば、警察は市民の味方だし、私達に危害を加えることなんてないけど、私には違った意味で怖かった。
それはきっと私が後ろめたいことをしているから。
おじさんの言葉を借りるなら、私が“違法”なことをしているから。
おじさんに恐怖を感じているけど、警察官も怖いし、パニック寸前の私は声すら出なかった。