もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
私達が案内されたのは、ソファー席。
「すごい良いお店じゃん。気に入った」
席に着いてから、瑠伊に話し掛けてみたものの、瑠伊は店内をキョロキョロと見回して、私の言葉など聞こえていないみたい。
大きな窓に向かって備え付けられているカウンターテーブルと今私達が座っているソファー席に分けられている店内。
照明も少し落とされて、落ち着いた曲が流れていた。
これは女の子には人気の店だろうな……
膝掛け毛布も貸してくれるなんて、なかなか気のきいた店じゃん。
と心の中で呟きながら、私はオーダーをした。
店の雰囲気からは考えられないようなリーズナブルな値段も気に入った。
「……たっ」
「ん?何?」
私の方へと体を少し近付けて、何かを言ったようだけど、声が小さすぎて聞き取れない。