もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「腹減ってんのかよ?!」
えっ?
なんで、怒鳴り気味で、そんなこと聞かれるのか……
「減ってるのかな……?」
自分でもよくわからないから、正直に答えたのにジュンは舌打ちをして私を睨み付ける。
「はっ?なんなわけ?答えたらキレるなら、最初から聞かなきゃいいじゃん」
ハイテンション男はそんな私達を見て、クスクスと笑いながら姿を消した。
すると、ジュンが急に体を寄せてきたから、殴られるのかと思って一瞬身構えると
「ここじゃ、話できないだろうが」
と、私の耳元で囁いた。
「私は出来るけど?」
「俺が出来ねぇんだよ」
「ふーん。じゃあ、出る?」
「お前が腹減ってるって言うから、遼さん飯作りに行っただろうが」
そういうことか。
あの時、私は“減ってない”って答えるべきだったわけね。
「声、大きくなってるけどいいの?」
「よくねぇ」