もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

会話中に一瞬、こんな表情を見せるのも、とーちゃんに似ている。



似ている仕草や表情の人なんて、山ほどいると思う。



単に“夜の匂い”がするっていう私の先入観のせいかもしれない。



けれど、この時言葉に出来ない何かを感じたのも事実だった。



「スミレって誰だよ?」



「はっ?何言ってんだジュン?!」



私達の会話なんて聞こえていないはずのジュンが突然会話に参加し出した。



「スミレって誰だ?」



しかも、その疑問はあきらかに私に向けられている。



「いや、恋人同士ってわけじゃなくても、お前ら知り合いなんだろ?名前も知らない女を庇ってたのか?はっ?そうなのかよ、ジュン?」



遼ちんだって一生懸命話していると思う。



怖そうなオーラ全開の遼ちんが、ジュンには物凄く寛大だと思う。



それなのに……



いや、それだからって……



そこまで無視する必要あるわけ?

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