もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
口を半開きにしているジュン。
「だから、ジュンが勝手に間違えたの。私の名前はス、ミ、レ。わかった?」
私だって自分のことを、頭がいいなんて思っていない。
でも、ジュンよりはマシだ。
ジュンと比べたら頭がいいと思う。
お馬鹿な瑠伊でさえ、これくらい読めると思う……たぶん。
「だから?」
「はっ?」
「だから、なんなんだよ?」
言ってる意味がさっぱりわからない。
ジュンは話を聞いていなかったわけ?
それとも、自分の非を認めたくないわけ?
「俺が間違えたなら訂正しろよ!!なんで、今の今まで何も言わなかったんだよ?!」
読めない奴が悪いだろ!!って言ってやろうと思っていた私に、ジュンはもの凄い剣幕でまくしたてるから、一気に動揺してしまった。
「いや、あの時は、あの日だけの関係で……もう二度と会うことはないって、思って……た、か、ら?」
「お前が悪いだろうが?!偽名使ってんのと変わらないだろ?違うか?!」
「そうかも、しれない……」
なんなんだ?私が悪いの?
私は悪くないって思ってたけど、なんだか悪いような気もしてきた。
「もう二度とすんじゃねぇぞ」
「うん」