もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
やる事がなくなってから5分くらいたった頃……
ガチャンという音と共に、ドアが開いた。
入ってきたのはジュンと女。
コーラは負けたか。
「ジュンレイちゃん、久しぶり」
部屋に入るなり、私に宣戦布告を突き付けるような物言い。
少しだけ苛立った私は、
「ですね」
と、ぶっきらぼうに答える。
すると、ノックされたドアが再び開いた。
「コーラ2つお持ちしました」
ジャラジャラとピアスを沢山つけた兄ちゃんが、そう言ってテーブルにコーラを並べる。
その瞬間、ジュンの刺さるような視線を感じた。
余計なことするなって言いたいんでしょ?
わかってるよ。
「喉が渇いたから、先に頼んじゃった。私達もさっき着いたところだったの。ね、ジュン?」
「あぁ」
こう言えば不自然じゃないでしょ?
私だって、私なりに考えてる。
「美織さんは何にします?」
そう言ってドリンクメニューを差し出すと、
「アイスティー」
と、言いながらソファーに腰掛けた。
「ジュン君も座ったら?」
私への態度とジュンへの態度はあからさまに違う。
でも、そこまで敵意を剥き出しにされると笑えてくる。
美織は自分の横にジュンの座るスペースを作ったのに、勿論ジュンは私の隣に腰掛ける。