もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「コーラで良かった?私はコーラが飲みたかったんだけど」
普段よりも可愛い口調で、ジュンに寄り添いながら喋る。
「あぁ、なんでもいい」
「ジュンレイちゃん、ジュン君はそういう飲み物、飲まないのよ。彼女なんだから、それくらい……」
「いいんだ」
何?ジュンはコーラが嫌い?
そういう飲み物って何?
炭酸ってこと?
海ではビール飲んでたような……
「でも、彼女なんだから、きちんと話したら?」
「いいって言ってるだろ?!」
「ごめんなさい」
なんなの?
全然わかんないけど。
重たい空気が流れているはずなんだけど、私がさっき予約しておいたアップテンポの曲が流れているから、そんな風にはあまり感じない。
それに、いいタイミングでアイスティーを持ったジャラシャラピアス兄ちゃんが登場してくれたし。
「で、こいつに話って何だよ?」
珍しく、始めに口を開いたのはジュンだった。
それより、私に話があるわけ?
そんなの聞いてないし。
「ジュンレイちゃんは本当にジュン君のことが好きなの?」
はっ?
そんなこと聞いてどうするわけ?
やっぱり、私はこの女が“好きじゃない”。