もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
そして、最後に優しく私の頭に手を載せる。
フワッと一瞬、触れるか触れないかのジュンの手は私の心を崩壊させた。
「えっ?純麗ちゃん?」
「……」
「どうした?何があった?俺のいない数分に一体何が?」
あたふたと私の周りを動き回るリュウは視界に入っているけど、私の瞳に写ってはいない。
私の瞳が捕らえて離さなかったのは、もう背中しか見えないジュンの姿だった。
あんなに優しい微笑みで
あんなに温かい掌で
告げられたのは……
別れの言葉