もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

私の言葉に、今度は急に落ち込み始めたリュウ。



肩をガックリと落とし、項垂れる姿は、あからさますぎる。



「純麗ちゃん……寂しい」



「はっ?」



「友達なのに、隠し事されると寂しい。俺には話せない?」



いやいやいやいや。



なんだか、それって女同士の友情みたいじゃないか?



そもそも、こういうのを“友情”っていうかはわからないけど、私が過ごしてきた女の世界では、“女の友情”とはこういうものだった。



喜びも悲しみも分け合いましょう。



なんなら、あなたの変わりに私があなたの想いを伝えてあげる、みたいな……



友達なら、何でも話す。


友達なら、力になってあげる。


友達なら、同じ趣味を持つ。


友達なら、一緒にトイレに行く。


友達なら、好きな人さえ譲る。


みたいなさ。



私は、どちらかというと、そんな女同士の“友情”が苦手で、極力避けて通ってきたのに、こんなに側に居たなんて……



不覚だった。



男にまで、気を配っていなかった。



というか、これは女特有のもので、男には存在しないものだと思っていた。



それなのに、女ではなくて男のリュウが……



しかも、こんなに身近に居る人が、苦手だったなんて……



驚きすぎて、涙を流していたことなんて忘れてしまいそう。



「純麗ちゃんとは、友達のつもりでいたのに……」



ハッキリ言ってウザイ。



「な、なんか……純麗ちゃんが遠い」



ウザくてたまらないのに、私は手を差し伸べてしまった。



「は、話すから!」



それは、リュウが違うように思えたから。



私が見てきた女の子がする、“演技”をしているようには見えなかったから。



だから、つい。


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