もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「何を話せばいいかな?えっとね……」
リュウの“演技”に見えない、“演技”にのせられてしまった。
「全部……」
「全部?わかった、わかった。全部、話すから。ねっ?」
リュウの肩に手を乗せ、顔を覗きこんだ瞬間、リュウの顔に笑みが零れる。
「じゃあ、さっさと話してね。純麗ちゃん」
人を簡単に信じちゃいけませんよね……
とーちゃん、本当にリュウは信用できるわけ?
「早く話してよ!まずはなんで泣いてたかね。その後でいいから。さくらんぼとの関係は!」
「……」
「えっ?さっきの言葉は嘘だったの?」
「……」
「純麗ちゃん、最低。嘘なんて、人としてどうかと思う」
「……」
「早く、話してよ。話す気ない?それなら、それで考えがあるから」
「……」
「そんなふうに黙り決め込むなら、俺だって」
「わかった!わかったから!少し黙ってて!」
もう仕方ないと思う。
私が妥協しないと、リュウはどこまでも私を追い込んでくる。
私が苦手な女の子の“友情”を武器に、追い込まれるくらいなら、話してしまった方がいい。
別に話すのが嫌なわけではないんだから。