もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
外に出ると、つい先程まで見ていた景色とは一変……
日の沈んだ街には、キラキラと煌びやかなネオン。
やっぱり、ここが私には合っている。
この空気だと、息苦しさなど感じない。
とーちゃんが用意してくれたホテルからは、この街の景色が見えるけれど、あそこじゃ上手く呼吸が出来ないんだ。
このネオンに照らされていなければ……
この人混みに紛れていなければ……
苦しいばかり。
「瑠伊は何時待ち合わせ?」
「純麗の時間に合わせてお迎え頼んだよ」
「返事は来たの?」
「勿論!!私にぞっこんだから、メールの返事は2分以内」
自慢げに話す瑠伊だけど、本当に振り向いて欲しい人とは、いつも上手くいかない。
いつだって、瑠伊ばかりが相手を想って捨てられる。
瑠伊の見る目がないといえば、それまでだけど。