もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
さっきまでとは違い、全身で怒りを表したジュンが、勢いよく私のほうへと向き直る。
私はその瞬間を逃さぬように、ジュンの胸へと飛び込んだ。
照り付ける日差しも、ジュンの体も暑い。
けど、抱き締めて欲しかった。
その熱い体で私を思い切り抱き締めて欲しくて、私はジュンの背中に腕を回す。
「さっきも言ったけど、喧嘩したいわけじゃない」
「あぁ」
やっと優しい声を聞かせてくれたね。
「何も言わずに置いてかないで。1人にしないで」
「あぁ、悪かった」
ジュン。
ジュンはいつだって、こんな風に私の心を受け入れてくれたね。
そうされる度に私はジュンへとのめり込んでいった。
一種の麻薬のように、私はジュンに依存してゆく。