もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
そんな優しい声とは裏腹に、車に乗り込んだ私の体を自分の元へと引き寄せ、強引に唇を重ねる透。
後頭部を押さえられた私は身動きひとつとれずに、口の中へと入り込んでくる透を受け入れた。
顔の角度を変えながら、荒くなって行く呼吸に合わせて、私の体温も上がる。
「……っん」
そして、いつの間にか制服の中に滑り込んでいた透の手が私の胸に触れた。
思わず漏れてしまう声に、透は満足そうな顔をしながら体を離した。
「今日はどこへ行こうか?」
何もなかったかのように、突然普通に話し始めるのはいつものこと。
「すぐに2人きりになりたい。ずっと2人きりで居たい」
こう答えるのも、いつものこと。
透は私の頭を撫でると、軽く微笑みアクセルを踏み込んだ。