もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「えっと……純麗ちゃん。二人の時間を割かせてごめんね。もう、私は大丈夫だから」
「大丈夫じゃねぇだろ。アイツのとこに薬取りに行ってくる」
「ごめんね」
「亜美が謝ることじゃねぇ」
えっ?待って!
ジュンが行くなら、私も行くよ!
私は勢いよく立ち上がり、部屋から出ようとしていたジュンに声を掛ける。
「ま、待って!」
「あっ?」
さっきのピリピリした空気は取れないまま、振り返り私を睨み付けるジュン。
「私……は?」
「待ってろ」
えーーーー!!
ジュンは訳のわからない行動ばかり取るっていうのは、うすうす勘づいていたけど、これはなくない!?
ジュンと付き合ってるってことも、たった今知って、その上お母様と初対面にして二人きりなんて……
「純麗ちゃん。ごめんね」
「えっ?」
ジュンが勢いよく閉めたドアを呆然と眺めていると、お母様が私の視界を遮った。
「きっと、ジュンはあなたをわざとここに置いていった」
「えっ?」
「取り敢えず座ろう。紅茶でもいれるわ」
突如、私の視界に入ってきたお母様は、また突然消えてしまう。
「いえ、いいです!体調悪いんですよね?座っていて下さい」
慌てて手を伸ばし、お母様の肩を掴んで驚いた。
顔には割りと肉が付きやすいタイプなのか、顔からは想像できないほど華奢な肩。