もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
透と会うのはいつだって、このホテル。
とーちゃんが用意してくれたホテルほど、立派じゃないけど、そこそこ有名な一流ホテルにスーツ姿の透と制服を着たままの私が腕を組んで歩いていると、好奇の視線が集まってくる。
私はそんなこと気にしないけど、透は大丈夫なのかな?
社会的立場だってあるだろうし……
もしかしたら、家族だっているかもしれない。
「純麗、おいで」
一応、透に気を遣う私は、好奇の視線を感じると、すぐに絡めていた手を離す。
でも、その度に透は優しい声で私を呼び寄せ、肩を抱き寄せる。
まるで、周りに見せ付けているかのように……