もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「どうでもいい。私はジュンが好きだからキスしたい」
背の高いジュンを見上げながら、自分でも頭が可笑しくなったとしか思えないような台詞を吐く。
「それだけじゃ、終わらねぇ」
ジュンは顔を赤く染めて、口元を片手で覆う。
「いいから、キスして」
辛うじて首に絡み付いていた手に力を込めてジュンを屈ませた。
スッと降りてきてくれたジュンがなんだかすごく愛おしくて、「スキ」と唇を動かしてから、ジュンの唇に触れた。
ただ触れているだけのキス。
こんなキス、したことがあったかな!?
一度、唇を離し、また口づける。
何度も何度もそれを繰り返しているだけなのに、私の体は火照っ行く一方。
お腹の辺りがキューンと熱くなる感覚に、涙さえこぼれ落ちそうだった。
「挑発すんな」
「口開けて」
「はっ!?」
「舌いれてよ」
引いたかな!?
キスだけで興奮しちゃってる私に幻滅したかな。
やっぱり、そういうことしてる女だって思われたよね。
でも、止められない。
私の体がジュンのすべてを欲してる。
「舌だけで済むと思うなよ」
そう言いながら、少しだけ口角を持ち上げたジュンは、私の頭を片手で支えるように掴み、顔を傾けてキスをしてくれた。
触れるだけのキスじゃなく、貪るようなジュンのキス。
クチュ、クチュ、という音と共に、頭のてっぺんが痺れて行く。