もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「純麗ちゃん、まだぁ?」
コンコンというノックの後に聞こえてきたリュウの声。
「ありがとう、り……」
お礼を言いながらドアを開けると、急に視界が反転する。
そして、お腹への圧迫感。
「純麗ちゃん、遅すぎ!!」
「あ、あんた!!何してんの?!」
「ちょっと出かける」
「私は出かけるつもりはないし、いいから降ろしてよ!!」
担ぎ上げられた私は抵抗のため、足をバタバタするけど、リュウはビクともしない。
「どこ連れてくのよ!!降ろしなさいよ!!」
リュウに強制連行されるとろくなことはない。
前回がそうだったように、また嫌な予感がする。
「ここどこだかわかってる?!ホテルの廊下!!大声出したら迷惑だよ。純麗ちゃんはホントに手がかかるなぁ」
「何?何言っちゃってんの?!私が」
「しーっ!!」
もう嫌だ。
私がどうしようもない子みたくなってるけど、可笑しいのは明らかにリュウだし。
「ほら、乗って」
運転手付のリュウの愛車にに放り投げられた私。
「っう……」
普通に痛いし。
「取り敢えず着くまでに化粧して」
「はっ?!どこ行くのよ!!」
「もう、その大声キャラ飽きた」
はぁー?!
何?!
マジでなんなの?!
「それより純麗ちゃん、清楚な感じの余所行きの服少なすぎ。派手なのか家着しかないんだもん。服選ぶのに苦労したよ」
もう、声さえもでない。