もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

この時、何故か瑠伊が可愛いと思えた。



舌を出して上目遣いをしながら、“カネ”が欲しいと言った瑠伊。



こんなにもストレートに欲しい物を欲しいと言える瑠伊が羨ましかったんだ。



「わかった。お金は受け取って、あんたにあげるよ」



「瑠伊!!」



「あぁ。瑠伊に全部あげる」



「本気で言ってる?」



「いらないの?」



「いる!!いる!!」



何でお金が欲しいのかはわからないけど、私の周りを犬みたいに回りながらはしゃぐ瑠伊は可愛い。



こんなふうに私達は出会った。



今考えると……結局、私は誰とでも“カネ”でしか繋がれなかったのかもしれない。

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