もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「おい!!」
ウチに帰らなきゃいけないってだけで、こんなにも気分が沈んでゆく。
「おい!!無視か?!」
さっきから聞こえてくる男の声。
喧嘩でもしてるのかも……
面倒なことに巻き込まれるのはごめんだ。
私は左側に人の気配を感じながら、視線は向けずにその場を通り過ぎた。
はずだった……
それなのに、止まってしまった私の体。
前に進もうと足は次の一歩を踏み込もうとしているのに、言うことを聞かない体。
あーそうか。
腕を捕まれているんだ。