もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
私の視界には同年代くらいの男が1人。
一瞬にして、さっきの選択肢は2つに絞られた。
どう見ても道を訪ねたいようには見えないし、私にはこんな真っ黒な知り合いはいない。
人違いであって欲しい……
でも、私の顔をまじまじと見ても、表情を変えないって事は……
最悪な答えに辿り着きそうだ。
私は顔を動かさずに、視線だけを左右に振った。
やっぱり、男は1人。
後数メートルも歩けば、大きな道路にでるし、逃げられるかもしれない。
話に気を取られて、手の力をゆるめるなんてことはないかな?
それは、ドラマとかだけの話?