もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
辺りが薄暗くなった頃、バイクはやっと停車した。
その途端に、自分の行く末が不安になる。
……てか、今の今までそう思わないって、どうなのよ?
心地良さなんて感じてる場合じゃないし。
「さっさと降りろよ」
いや、いや、当たり前にそんなこと言ってるけど、私は見ず知らずの痴漢野郎に拉致られて、ここまで連れてこられたってわかってる?
「早くしろって」
若干、苛つき始めた痴漢野郎をこれ以上興奮させないように、私は言う通りにした。
「ねぇ、ここってどこ?」
「あっ?」
再び、私の左手首を引っ張りながら、前を歩く痴漢野郎が振り向いた。
「ここどこ?」