もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

「おい。行くぞ」



痴漢野郎の言葉にハッと我に返る。



目の前に広がる初めての景色があまりにも綺麗で、私はいつの間にか足を止めていたみたい。



「あっ、ごめん」



「どうかしたか?」



「い、いや。綺麗で……初めて見たから」



「もう少し見て行くか?ここからの景色が一番だ」



私……



痴漢野郎に何を言ってるんだろう。



しかも、痴漢野郎も優しい台詞なんか吐いてるし。



殺すかも殺されるかもしれない関係なのに。
< 71 / 342 >

この作品をシェア

pagetop