もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
何しているのか答えない私を睨み続ける痴漢野郎。
でも、その目付きとは裏腹にバランスを崩した私の体をしっかりと支えてくれている。
その体温があまりにも熱くて、なんだか私は変な気分だった。
ムラムラしたとかっていう変な気分じゃなくて……
外見とは正反対の温もりに不覚にも安心感なんか感じていた。
「さっさと来いよ!!リンちゃん、連れてきたんだろ?」
「うるせぇ。黙ってろ」
大声の主はあんたの知り合いなわけね。
じゃあ、助けてもらったことに感謝する必要はないか。
……てか、今リンちゃんとか言ってなかった?
やっぱり人違い?!
私はリンちゃんに間違えられて、ここに連れてこられたわけ?
なら、殺されなくて済むんじゃん!!