もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
あまり好きじゃない、この名前。
とーちゃんに呼ばれる以外は、別の呼び名で呼んで欲しいと思ったことさえあった響き。
それが、砂浜に浮き出たように見えるだけで、綺麗に感じる。
“純麗”
私の名前。
「ジュンレイ?」
……はっ?
今、何か聞こえた?
頭上から聞こえたであろう、おかしな言葉。
「ジュンレイってのか?」
1度ならまだしも、2度も聞こえたんだから、聞き間違えじゃない。
「えっ?外人とかだったりするの?」
違う!!って、突っ込もうと思っていたのに、大声男ことミキヤが口を開く。
「じゃあ、ジュンちゃんだね」
「……いや、私は」
「あぁーー!!それじゃあ、ジュンと被っちゃうか。うーん、どうしよう」