もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「私は“リン”じゃない。だから、帰してよ」
「あぁーそれはねぇ。」
横目でジュンをチラチラと見ながら、不気味な笑みを浮かべるミキヤは言葉を続ける。
「ジュンちゃんは、リンちゃんって名前じゃないけど、人違いではないんだよね」
「はぁ?言ってる意味わかんないけど!!ちゃんと説明してよ」
思い切りミキヤを睨み付けた私に、
「ジュンちゃんは、見かけによらず怖いんだね」
なんて、喧嘩を売ってくるミキヤ。
悪かったね!!童顔で!!
「ごちゃごちゃ言ってねぇで行くぞ」
「そうだった!!あんまり抜けてると怒られるな」
ジュンの一言に、ミキヤはくるっと私に背中を向けて走りだした。