もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
もしかして、ジュンは助けてくれたのかもしれない。
……なんて、一瞬でも思った私が間違いだった。
「お前も行くぞ」
そう言いながら、私の左腕をまたしても強引に引っ張ってゆく。
「ち、ちょっと!!なんなの?!まったく意味がわかんないけど!!説明してって言ったでしょ?」
殺されるわけじゃないとわかった私は強気。
思い切り、ジュンの手を振り払った。
「いくらだ?」
「はっ?」
どうして、私が睨まれなきゃいけないの?
怒りたいのは私のほうで……
理不尽なことされているのは、絶対に私なのに……
ふぅ~なんだか涙が込み上げてきた。
色んな事が次々に起こってるのに、私の気持ちは着いていけていない。
そのせいで、頭の中も胸ん中もごちゃごちゃだ。