もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
バーベキューと肉
いつもと同じようで、何かが違う今日のバイト。
始まりがあんなんだったからってのもあるけれど、気分が乗らない。
「すぐだから」
と言って歩きだしたジュンの後を着いて行くと、賑やかな声は次第に大きくなり、美味しそうな臭いが鼻を掠める。
そして、テントなんか張って、本格的にバーベキューをしている連中に近づくたびに、
「ジュン!!」
「どこ行ってたんだよ?」
「ジュン君」
と、お声が掛かる。
人気者?
クラスで話す友達は居ても、こんな風にバーベキューをやる友達はいなかった私にとっては、目の前の光景が物凄く楽しそうに見えた。
浮き足立つ気持ちを押さえ、ジュンの腕に自分の腕を絡めた。
条件反射なのか、私の手を振り払おうとしたジュン。
「何?」
と振り向いた、その顔は不機嫌極まりない。
けど、私は離さなかった。
きちんと契約が成立した以上、私の役割は果たすつもり。