アレチョコ!
タイトル未編集
アレチョコ!
アレは確か、バレンタイデーの一週間前だったと思う・・・
「ねぇ、ミワちゃん、知ってる?」
同僚のカンナがトイレで話しかけてきた。
「何?何?」
わたしは、いつも面白ネタを提供してくれる時のカンナのもの言いに耳を傾けた。
「バレンタインのチョコにアレを入れて渡すとね、すごいらしいのよ!ミワちゃん知らないの?」
これがカンナのいつものパターンだ。話を急かさずに、さも興味ありげな態度をみせていれば、数分後にはその核心を教えてもらうことができる。
「チョコに入れるアレなんて、知らないなぁ・・・」
わたしは、云った。
「わたしの場合、決まった相手がいないからさぁ、渡すチョコ全部を手作りにして、アレをたっぷり入れてみるつもりなんだけど、ミワちゃんはもう決まった彼氏がいるんだからその効果がすぐにわかると思うわ!」
「ねぇ、カンナ!で、アレっていったい何なの?」
わたしは、たまらず問いかけた。
「アレっていうのはさぁ・・・やっぱり、恥ずかしくって、わたしそんなこと口にできないわぁ~」
「大丈夫、ここだけの秘密っってことで、教えてよぉ~!」
わたしは食い下がった。
「ネットで、チョコにアレを入れるって検索すると、すぐにわかると思うけど・・・」
困ったような口調で、カンナが云った。
「そっか、わかったわ。調べてみる・・・」
わたしはちょっと憮然とした。
帰宅途中の電車の中で、昼間カンナが教えてくれた、チョコに入れるアレを調べてみた。
「涙」
「唾液」
「汗」
「朝一番の葉についた雫」
「血液」
「髪の毛」
「・・・・・・・」
だいたい、そんなモノを、意中の相手に食べさせてしまうと想いがたちどころに叶う!と云われていることが、おまじない系のサイトをいくつもみた結果わかった。
カンナが云っていたような、チョコに入れるとすごいことになる!らしいモノが何なのかは不明なままだった。
あの時のカンナの口ぶりから想像すると、おそらくH系のことですごい!ことになる・・・と云っているように思えてしまう。
わたしは勝手にその線で、すごい!結果が起こることに、期待をふくらませながら、「涙」やら「唾液」やら「汗」やら・・・可能なモノをすべて少量ずつ手作りチョコに混ぜてみることにした。
そして、バレンタインデーの当日。わたしは付き合い始めてもう3年目になる彼氏のヒロヤと約束通り、レストランで食事をしながら、レイのチョコを渡した。
「はい、これ!特性のハンドメイド、これはすごいわよ!」
「ありがとう。で、なにがすごいの?」
ヒロヤは、聞き返してきた。
わたしは少し声をひそめて、顔を近づけてささやくように云った。
「このチョコには、アレがいっぱい入れてあるから、これを食べるとね、アレがアレしちゃってすごいことになるらしいわ!」
「そんなに嬉しそうな顔して云われると、それだけでアレがアレしてくるよ!」
ヒロヤは、ニヤけながら云った。
翌日、わたしは朝イチでカンナをトイレに誘った。
「ねぇ、カンナが云ってた、チョコに入れるとアレがアレしてすごいことになるって云ってたアレ、すごかったわよ!」
「試してみたの?」
カンナが、驚いたように云った。
「うん、もうばっちり!お陰で、昨夜はほとんど寝てないくらいよ」
わたしは、鏡を見ながら、ちょっとくぼんだままの目元を入念にメイクし直しがら云った。
「よかったじゃない!で、ミワちゃんはチョコに何を入れたの?」
「もちろんアレよ!」
わたしは答えた。
「だから、そのアレって何?」
「えっと、涙とか汗とか雫とか・・・」
わたしは正直に、ネットで調べてみつけたアレの数々を入れてみたと打ち明けた。
「ミワちゃん、そういうのを入れたんだぁ~」
カンナは、ちょっと呆れたような言い方をした。
「じゃぁ、アレってなんなのよ?」
「ごめんね!しらないの・・・わたしもアレとしか教えてもらえなかったから、この間ミワちゃんに訊いたんだもん!」
アレは確か、バレンタイデーの一週間前だったと思う・・・
「ねぇ、ミワちゃん、知ってる?」
同僚のカンナがトイレで話しかけてきた。
「何?何?」
わたしは、いつも面白ネタを提供してくれる時のカンナのもの言いに耳を傾けた。
「バレンタインのチョコにアレを入れて渡すとね、すごいらしいのよ!ミワちゃん知らないの?」
これがカンナのいつものパターンだ。話を急かさずに、さも興味ありげな態度をみせていれば、数分後にはその核心を教えてもらうことができる。
「チョコに入れるアレなんて、知らないなぁ・・・」
わたしは、云った。
「わたしの場合、決まった相手がいないからさぁ、渡すチョコ全部を手作りにして、アレをたっぷり入れてみるつもりなんだけど、ミワちゃんはもう決まった彼氏がいるんだからその効果がすぐにわかると思うわ!」
「ねぇ、カンナ!で、アレっていったい何なの?」
わたしは、たまらず問いかけた。
「アレっていうのはさぁ・・・やっぱり、恥ずかしくって、わたしそんなこと口にできないわぁ~」
「大丈夫、ここだけの秘密っってことで、教えてよぉ~!」
わたしは食い下がった。
「ネットで、チョコにアレを入れるって検索すると、すぐにわかると思うけど・・・」
困ったような口調で、カンナが云った。
「そっか、わかったわ。調べてみる・・・」
わたしはちょっと憮然とした。
帰宅途中の電車の中で、昼間カンナが教えてくれた、チョコに入れるアレを調べてみた。
「涙」
「唾液」
「汗」
「朝一番の葉についた雫」
「血液」
「髪の毛」
「・・・・・・・」
だいたい、そんなモノを、意中の相手に食べさせてしまうと想いがたちどころに叶う!と云われていることが、おまじない系のサイトをいくつもみた結果わかった。
カンナが云っていたような、チョコに入れるとすごいことになる!らしいモノが何なのかは不明なままだった。
あの時のカンナの口ぶりから想像すると、おそらくH系のことですごい!ことになる・・・と云っているように思えてしまう。
わたしは勝手にその線で、すごい!結果が起こることに、期待をふくらませながら、「涙」やら「唾液」やら「汗」やら・・・可能なモノをすべて少量ずつ手作りチョコに混ぜてみることにした。
そして、バレンタインデーの当日。わたしは付き合い始めてもう3年目になる彼氏のヒロヤと約束通り、レストランで食事をしながら、レイのチョコを渡した。
「はい、これ!特性のハンドメイド、これはすごいわよ!」
「ありがとう。で、なにがすごいの?」
ヒロヤは、聞き返してきた。
わたしは少し声をひそめて、顔を近づけてささやくように云った。
「このチョコには、アレがいっぱい入れてあるから、これを食べるとね、アレがアレしちゃってすごいことになるらしいわ!」
「そんなに嬉しそうな顔して云われると、それだけでアレがアレしてくるよ!」
ヒロヤは、ニヤけながら云った。
翌日、わたしは朝イチでカンナをトイレに誘った。
「ねぇ、カンナが云ってた、チョコに入れるとアレがアレしてすごいことになるって云ってたアレ、すごかったわよ!」
「試してみたの?」
カンナが、驚いたように云った。
「うん、もうばっちり!お陰で、昨夜はほとんど寝てないくらいよ」
わたしは、鏡を見ながら、ちょっとくぼんだままの目元を入念にメイクし直しがら云った。
「よかったじゃない!で、ミワちゃんはチョコに何を入れたの?」
「もちろんアレよ!」
わたしは答えた。
「だから、そのアレって何?」
「えっと、涙とか汗とか雫とか・・・」
わたしは正直に、ネットで調べてみつけたアレの数々を入れてみたと打ち明けた。
「ミワちゃん、そういうのを入れたんだぁ~」
カンナは、ちょっと呆れたような言い方をした。
「じゃぁ、アレってなんなのよ?」
「ごめんね!しらないの・・・わたしもアレとしか教えてもらえなかったから、この間ミワちゃんに訊いたんだもん!」