ゲーム

病院

「病室は605。こっちだよ」

春季さんと一緒にエレベーターに乗る。

「最近の病院はどこに病室があるかが分かりづらくていけねぇや。もっとシンプルにしないと、災害があったら逃げれない人とかでるんじゃないのか?」

不吉なことをさらっと言うこの人にも慣れてきた。

エレベーターを降りてから、たまにすれ違う中に若い人がいると、風間春季だと騒がれていたが彼は気にすることなく、妹の病室に向かっていた。

「代夏、入るよ」

代夏の病室は個室だった。

「はーい」

のんびりとした代夏の声が聞こえてきた。春季さんが扉をゆっくりとあけると、白い病室の中、ベッドの上に代夏がいた。

楽なように学校のジャージを来て、絵を描いていた。

「春くん来てくれたの?お仕事は?」

「今日は夜から。しばらく来れなくなるから、今のうちに欲しいもの言って」

春季さんはそう言って代夏の頭を優しく撫でていた。

「大丈夫。ちゃんと準備してきたから」

「それからお客さん」

そう言って春季さんはオレを指差した。

「爽透くん・・・」

代夏は苦しげに眉根を寄せてオレから目を逸らした。

当然だけれど、キツイ。

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