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「・・・」

「それでも、代夏はあなたを許してると思います」

どういうわけか、代夏は人を憎んだり、恨んだりの言葉を使わなかった。

短い時間だけど、多分、オレは目の前の人よりも代夏のことを分かってると思っている。

「代夏を受け入れてあげてください。そしたら変わるものもあるんじゃないですか」

「そうね。あなたの言うとおりかも。でも今日はこれで帰るわ、少し仕事を残して来てるから」

立ち去る彼女に少しだけ頭を下げた。

他人のオレがこんなことをいう筋合いは無かったかもしれないが、少しでも世界が代夏に優しくなってくれれば良いと思うんだ。


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