ゲーム
面会時間が終わるころ帽子が完成した。

残った毛糸をまとめていると、

「失礼しますね」

看護士さんが入って来た。

「あら?あなた一人?」

「はい。代夏さんのお母さんはお帰りになりました。何か?」

「代夏ちゃんが目を覚ましたから、面会されるかと思ったんだけど」

「オレが会います」

「でも家族しか会えないから」

「あと5年後ぐらいには家族になるんで問題ないです。前借りみたいな感じでお願いします」

看護士に詰め寄る。オレの迫力と家族が誰も来ていないことを汲んでくれて面会を許可してくれた。
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