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エキシビション
あれからオレ達は進級して2年になった。

代夏も髪が伸びて学校に復学した。

今は桜咲く春。

オレと代夏はあの日、交わした約束通り、代夏の絵の桜の木を見に行くことにした。

「何で、あんたまできてんだよ!」

「ごめんね。つけられちゃった」

代夏は悪くないのは分かってる。

「二人きりにさせてたまるか。オレと代夏の思い出の場所だぞ」

春季さんは代夏と出かけると必ず着いて来た。

小舅付きのデートなんて有り得ない。

「ダメって言ったのに」

「代夏、男は狼だ。こんな綺麗で介抱的な場所に解き放ったらどうなるか。結婚するまで、二人で出掛けちゃダメだ」

何ていうことを言うんだこの人は。

「春季さん、先輩命令で帰ってもらえませんか」

春季さんは本当にうちの高校に入学してきた。

パニックになりかけた入学式は記憶に新しい。
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