ゲーム
ちょっと待て!

何そのヘタレ設定。

オレはヘタレじゃないよ。

ガキの頃、兄ちゃんの便所について行ったのオレだから!

「伊織、待ちなさいよ」

教室から出て行こうとする教師の肩をがっつり捕まえた。

「送れば良いんでしょ」

「そうか。伊織、忍足が家まで送ってくれるそうだ」
代夏は廊下の端でこちらをつぶらな瞳で見ていた。

止めてその目、お前の家に確実に行かなきゃいけなくなるから

「二人とも気をつけて帰れよ」

「「さようなら」」

二人で校門の外にでると秋風が少し冷たい。

「爽透くん、お家どっち?」

先に聞かれた!

「あっち」

どうしようもないので、家の方向を教えた。

「じゃあ私こっちから帰るね。バイバイ」

そう言って代夏は、オレの家と反対方向に歩いて行こうとしる。

何?じゃあって?まさか!

「代夏ちゃん、家ってあっちじゃないの?」

オレと同じ方向を指差すと代夏は頷いた。

「だって同じ方向だと怪しまれちゃうでしょ」
< 25 / 143 >

この作品をシェア

pagetop