ゲーム
なんか危ない人に攫われそうな子どもみたいなんですけど。

「昨日も言ったけど、代夏ちゃんは女の子なんだから気をつけないと」

「うん、気をつけるね」

なんか返事が素直すぎて。ちょっと信用が欠けるな、この子。

心配になってくる。

「爽透くんのご飯それだけ?足りてる?」

「えっ?あぁ、うん。部活前にもパン食べるから」

「良かったら食べる?」

代夏はそう言って、自分の弁当の蓋に弁当のおかずを分け始めた。

「はい。どうぞ」

どうぞと言われても・・・。

小さい弁当の中身を半分渡されたら、あなたは大丈夫なの?

帰りまで腹は持つの?

「いや、代夏ちゃんのお弁当だし」

「私は大丈夫。プリンあるし、江上くんからもらったお菓子もあるからね」

「じゃあ、遠慮なく・・・」

高校生の手作り弁当にははっきり言って興味がある。

見た目は満点。

味は・・・

玉子焼きを食べると。

・・・ヤバイ、オレ好みの味。ダシが聞いてて、ほんのりとした甘み、

ポテトサラダもうまい。

満点どころの騒ぎじゃない。
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