ゲーム
サバの味噌煮

玉子焼き

肉じゃが

金平ゴボウ

ほうれん草のゴマ和え

「これはデザート」

そう言って、ハウスみかんを膝の上にのせてくれた。

やばい。泣きそう。

こんな普通な食事。家でも食べたことが無い。

「オレのために・・・」

「うん。パンばっかりだと、おなかすくだろうし、あとね」

また手提げの中に手を入れて中を探る。そして少し大きめなおにぎりを差し出してきた。

「これ、部活の後におなかがすいたら食べてね」

「ありがとう・・・」

オレは、この子を騙してる。

でも代夏はオレのためにここまでしてくれてる。

無邪気な笑顔がオレの罪の意識を苛む。

「代夏ちゃん、これ、オレの携帯の番号とメルアド」

さっき書いた携帯の番号とメルアドを渡した。

「良いの?」

「当たり前だよ。オレたち、恋人どうしなんだから」

こんなに簡単に嘘をついてしまう。

本当は好きじゃないのに

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