ゲーム
「…」

代夏は沈黙を保ったまま、オレの顔を見ていた。

「代夏ちゃん」

名前を呼ぶと代夏はまた手に持っていた色鉛筆を落としてしまった。

何なんだよこの女は

「あっ、ごめんなさい。私」

「いや、オレもごめんね。驚かせちゃって」

「えっと、忍足くん…」

「爽透で良いよ」

「爽透くんは私を…」

顔が真っ赤になってる代夏をからかうのはだんだん楽しくなってきた。

「君が好きだよ」

「っ…」

今度は耳まで赤くなった。

「で、どうしたら良いの?」

代夏が顔を押さえて尋ねて来た。

どうしたら良いってお前の腹の中なんてしるかよ。

かつてないリアクションにオレも焦った。
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