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オレと一緒にいるようになってから代夏が変わったと言われているようで、どこか気恥ずかしく思える。

「でも男で変わる女ってのもな。自分が無さ過ぎるみたいな気がしないか?」

麻斗が少し冷めたように言った。

「そうか?いじらしい感じで可愛いじゃん。努力ってけなげじゃん」

三吉がそう返した。

「オレはもっと意志の強い女が良いけどな」

それなら代夏だって意志が強い。

誰が何って言っても、自分の理由で生物部にいるし、

どこかの輪に無理に入ることも無い。

自分のスタイルを貫き通している。

そう考えると、多分、代夏が可愛いと認識されるようになったのは、彼女自身の魅力がゆっくりと広まってきたからなんだ。

まるでそれは、コロンの匂いのように、ゆっくりとその場を包んでいったんだ。

オレが好きになった子は、誰からも愛される才を持っていた。

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