ゲーム
「それで代夏ちゃんが代打ってわけ。全く、春は変わらないわね」

「でも、楽しかった。二人で映画みてきたの」

「そう、なら良かったわ」
代夏が楽しかったと言うとようやく笑顔になってくれた。

「うん。静さん、カルボナーラと本日のケーキをお願いします」

「はい。そっちのイケメンは?」

いきなり話をふられてオレは慌ててメニューを選んだ。

「じゃあ、本日のパスタと代夏ちゃんと同じデザートを」

「はい、かしこまりました」

そう言って彼女は厨房の方に戻って行った。

気になるのは彼女と代夏の関係だ。

「静さんは私のお父さんの妹なの。ここは、静さんの旦那さんのお店」

「だから親しいのか。文房具屋のオヤジみたいに常連なのかと思った」

「毎週はこれないよ。お小遣いなくなっちゃう」

「そうだね。ところでさ」

もう一つ聞きたいことがあった。二人の会話からでた『ハル』って誰かということ

「ハルって誰?」

「春くんは私のお兄ちゃん。ごめんね。嘘ついちゃって」

代夏は頑ななままオレが隠せと言ったことを守ってくれる。あと少しの辛抱だから。あさってになったらオレは代夏と付き合ってくることを公にするつもりだ。

< 94 / 143 >

この作品をシェア

pagetop