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六日目

朝の教室

朝練を終えて教室に入ってくると、衝撃を覚えた。

代夏は自分の席にいたが、明らかに昨日の代夏と違っている。

「代夏ちゃんどうしたの髪」

周りの女子が驚いて聞いている。

昨日まで、背中まであった長い代夏の黒髪が、なくなっていた。ベリーショートとでも言うのか、オレよりも短くなっているように思える。

代夏の魅力は代わらないが、昨日別れたあとに一体何があったのか?

まさか、虐待とか受けてるわけじゃないよな。

昼ドラとかに良くある。

母親に男と会っているところを咎められて、髪や服をボロボロに切り刻まれるっていうのを去年の夏休みに見ていた気がする。

「切っちゃった」

そう代夏はさらっと答えた。

切ったのは分かるが、何がどうなったらそんなに髪を切ることになってるんだよ。

「でも、すごく似合ってるよ。ますます風間春季に似てるかも」

「そうかなぁ」

「ちょっと男と似てても良いことないじゃん」

女子に囲まれて、代夏は呑気に笑っている。

今すぐ、彼女を連れだして、事情を聞きたいが、それは出来ない。

明日になるまで我慢だ・・・

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