バスボムに、愛を込めて


どんどん瑛太さんに囚われてく心を止められないでいるあたしに、彼はさらに危険な発言を続けた。


「本当はもっとゆっくり美萌をいじめたいけど、もう限界だ。……お前のこと、食べてい?」


食べてい? ……って。なんでそこだけ甘えた声で言うの?

意地悪だったり可愛かったり、ギャップに弱い女子の心を知っててやってるの?

あたしは飛び出しそうな心臓を必死に自分の中に押し留めて、小声で言った。


「いい……んですけど。でもあの、あたし、実は初めてなんです……」


いつ言おうかと思っていた。

この歳で……って引かれないかなとか。面倒だと思われたらどうしようって悩んで、結局こんなギリギリのタイミングになってしまったけれど。

ちら、と瑛太さんの表情を窺うと、彼はさっきまでの小悪魔的な笑みでなく、優しく目を細めて微笑み、あたしの頭を撫でた。


「そんなに緊張しなくていい。もし美萌が苦痛だったらちゃんと止めるから」

「瑛太さん……」

「それに俺だって、かなり久しぶりなんだ。下手でも許せよ」


瑛太さんはそう言うと、あたしの手を取って寝室に導いた。


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