バスボムに、愛を込めて
電気をつけない代わりにカーテンが開け放たれ、そこから差し込む月明かりが控えめにベッドを照らす。
瑛太さんは眼鏡を外して机の上に置くと、ベッドの傍らに佇むあたしにキスをした。
最初は軽く。でもすぐにそれは深く熱く、あたしをとろかすものに変わっていく。
帯が解かれていって、身体の締め付けが緩んでいくのを感じると、中を見られるのが恥ずかしくなって瑛太さんの身体にくっつこうとしてしまうあたし。
「……美萌。これじゃ脱がせられない」
「だ……だって……」
「……恥ずかしいのなら、美萌は俺を脱がせばいい」
そ、そんな素敵すぎる権利、もらっちゃっていいんですか……?
思わず手で鼻を押さえるあたしを見て、呆れたような顔をする瑛太さん。
「……鼻血なら出てない。ほら、早く」
瑛太さんてエスパー? なんであたしの考えがわかったんだろう。
驚いているうちに、両手を取られて、彼の浴衣の襟をつかまされた。
ああもう、恥ずかしがってる場合じゃないよね。
観念したあたしは、そろそろとそこを開いて瑛太さんの綺麗な肌を露わにしていく。
浴衣をお互いに脱がせっこするなんて、あたしのたくましい妄想力でも一度もたどりつかなかった展開。
視線をどこに定めていればいいのかわからなくて、綺麗に浮き出た瑛太さんの鎖骨ばかりを、あたしはじっと見ていた。