バスボムに、愛を込めて
だって、まずひざ小僧さんが見えてる! シンプルなネイビーのショートパンツからすらりと伸びた生脚は、会社では絶対見れないレアものだ。
それに……トップスは、白にグレーのボーダー柄のシャツ。
なんとあたしたち、相談したわけでもないのにお揃いのマリンスタイルだ!
目をキラキラさせながら彼のシャツを見つめていると、同じくあたしの格好をチェックしたらしい本郷さんがとてつもなく嫌そうに呟いた。
「……失敗した」
そして未だ熱い眼差しを送るあたしを無視してバス停の方へスタスタ歩いて行ってしまう。
「わ、待ってください!」
「……早く来い」
面倒臭そうな顔をしながらも立ち止まってくれた彼の横に並び、あたしたちの初デートはついに幕を開けたのだった。