かわいい年下くん
そんな他愛もない会話をしながら、スーパーでオムライスに必要な食材を買い。
春くんのマンションへと向かう。
「…てか、お金出してくれてありがとう。次こそ出させてね」
そう。いつもスーパーでの会計を、春くんがしてくれてるのだ。
毎回「いいから」と言われ、実を言うと、今まで一度もわたしが払ったことはない。
「なに言ってるんですか。センパイに迷惑かけてるのはこっちなんだし、払うのは当然です」
そうは言っても、夜ご飯を奢ってもらってるのと一緒だし…
第一、迷惑だなんて思ってないんだけどなあ。
なんて、春くんに少しでもいいように、と始めた週数回のご飯作りが、逆に春くんの負担になってるんじゃ、と申し訳なく思っていたら。
トンッ。わたしの手の甲になにか当たった。
それが春くんの手だとわかり、少し近すぎたのかと思って、一歩横にずれようとすると。
それよりも前に、スルッとわたしの手のひらに春くんの指が滑った。