かわいい年下くん

「…っ、」



いきなりのその行動に、少し肩が上がってしまった。恥ずかしい。



「…手、繋ぎましょ？」



そう覗き込むように言われ、完全にノックアウト寸前なわたし。



自分はべつにメンクイではないけど…ここまで容姿が整っている人の前では、そんなの関係ないらしい。


現に、心臓が不整脈を訴えている。



「…とか訊いといて、返事待たずに繋いじゃってるんですけどね」



なんて、いたずらっぽく笑う春くんに、もうきゅんきゅんだ。



「…ふふ、もう仕方ないなー」



とか言って、春くんの手をギュッと握り返してみた。



すると、いきなり斜め上から視線を感じて。



「…え、どうしたの？」



そっちを見たら、わたしをガン見している春くんがいた。



「…センパイってさ、」


「うん？」


「……、いや、なんでもない」



なにか言いかけた、と思ったら、そう言って口を閉ざした春くん。


そんな彼の様子にわたしはハテナマークを浮かべながら、それっきりだんまりを決め込む春くんの、隣を歩くしかなかった。